半径5メートルはババァゾーン

38歳一ババァの日常を皆さんにお届けします。

映画「サンセット大通り」後編

おはようございます。ポスト田イット乃です。

 

映画「サンセット大通り」実況 前編はこちらです。忙しいワーママのために1時間55分ある映画の見どころを紹介しています。

映画「サンセット大通り」前編 - 半径5メートルはババァゾーン

 

 

さて、映画「サンセット大通り」実況 後編を始めるよ!


BBA主催の大晦日のパーティーのために、燕尾服をあつらえてもらった男。
大丈夫、大丈夫、ハイブランドの服を買ってもらうくらいのことはSATCや夏のアメリカ映画でさんざん女が男にやられてきたこと。
これぐらいコワクナイヨー。

豪邸の広間でカルテットを率いてご機嫌に踊るBBA。真珠のカフスが実はイヤリングというネタは有名な映画のワンシーンなのかしら。
「(タンゴが)できない。」という男、「フォロミー❤」と微笑みかけるBBA、かっこいいぞ。

「その辺のハリウッドトラッシュ(ゴミ)より私はお金持ち」BBAは強気、"ハリウッドトラッシュ"というスラングがあったんだ……。「映画ができたらヨットを買ってあげるわ。」さては買ってやったことあるなBBA。

 

BBA「邪魔されたくないの。」大晦日パーティーの客は誰も来ない。


流石に男勘づく「私にもプライバシーがあるとは思わないのか😠。恋人がいるとか!」

1950年の映画で"プライバシー"を聞くとは思ってもみなかった。寝室に泣きに行くBBA、喧嘩のシーンはとても上品。色BBAが財力で若い男ににじり寄っているだけにしていないのがすごい。彼女の寝室の覗き穴が寂しく映る。毅然と豪邸を出る男。

 

裕福な友人の大晦日パーティーへ。

 

BBAの買ってくれた燕尾服パワーで、最初にディスられた美女(友人の恋人)と個室で2人きり。「僕の恋人だぞ!?」と怒る友人を人差し指で「仕事の話よ」と制する美女。ハリウッドの美女、彼の脚本の中のキャラ立ちしている部分を助言。仕事する美女を口説きにかかる男。ヲイヲイ、男、BBAと同じことしてるぞ。美女に気持ちよく仕事させてやれよ。ビリー・ワイルダーの時代は #metoo    が起こりまくってたんだろうな……。

 

BBA、リストカット……。

 

駆けつける男、「あなたは私によくしてくれた唯一の人だ」泣かせる……、見通しの甘い坊やでどれだけハリウッドで冷水ぶっかけられてきたんだ……。

両腕のリストカットの包帯が痛々しいBBAの手をどけてキスをする男。

BBAの愛を受け入れるわけですが……。(BBAとイケメン坊やinハリウッドのおせっせを前に思わず丁寧語になってしまう私)

年齢を忘れた彼女のはしゃぎっぷりにBBAが可愛く見えてきた。プールから上がった男をバスタオルで拭きながら、「だってこんなに幸せなんだもの❤」。BBA、さてはお掃除フェラを喜んでやるタイプだな!?キスシーンのみで暗転するにも関わらず、観客におせっせ済と確信させるワンシーン。

イタいBBAをきちんと映し出す脚本、衣装、カメラの妙よ。いや、BBAがBBAだから成立するんだこの話。


美女から豪邸へ男の捜索の電話。

 

執事のマックスは「奥様、迷い犬の照会でした。保険局の電話番号に似ているみたいでして。」

脚本は無事完成。男はBBAに教えられてダンス2種類とワインの選び方をマスター(おせっせ不可避……察したよ…)。

脚本をパラマウントに届けた帰り、車を停めてドラッグストアに煙草を買いに行く男。

 

デート中の友人と美女に遭遇。


美女「(あなたの脚本にあった)先生が売れそうなの!これは私の仕事よ!」真摯でみずみずしい存在感、いい仕事してる。
男「身を持ち崩している最中だ。」

男、そーいう恩知らずな所がお前が売れない理由の一つじゃ👹。

 

BBAとの楽しい毎日。

水着美女など昔の映画の振り付けを見せてくるBBA。このシーンは容赦なく浮かれたBBA。

BBAのチャップリンの扮装…………上手すぎてアッアッ……という声が出てしまった。チャップリンは中学生のときよく見ていて、彼も私のヒーローだ。エモい。もっと見たい、BBAすごいと心踊りはじめたところを遮る執事マックス。映画会社に緊急で呼び出される男とBBAと運転手の執事。


隆盛を誇るパラマウント・ピクチャーズの門は厳重で壮麗。

老門衛に顔パスが通るBBA。昔馴染みの大監督デミル氏と面会。久石譲みたいな巨匠感。
デミル氏「彼女の17歳を知らんのだろう。」可愛くて度胸がある、完璧主義、仕事の鬼…。やはりBBA、仕事ができた。

美女はパラマウントの閲読係。彼女を見かけた男はオフィスを訪ねる。美女リンゴをかじりながら仕事。おおらかな時代?アメリカだから?ハリウッドだから?
夜脚本を一緒に書かないと誘ってくる割には、友人とは「婚約したの」という美女。ほらーやっぱり美女は仕事目当てじゃない、残念だったな男、ちゃんと仕事しろ。

 

一方BBA、昔の仕事仲間に囲まれて涙。

華麗な衣装を着た人たちに囲まれるとても美しいシーン、これぞハリウッドの夢。

パラマウントに呼ばれたのは、脚本が通ったからではなかった、BBAがのる旧型の車を大道具として貸してほしいという話だった。

脚本が通ったと勘違いしたBBAは上機嫌、大監督デミルはBBAに愛想で応えた。しかし、BBAが帰ったあと、連絡をとった助手を叱りつけ「車なんかいくらでも買ってやる!!」と、古い戦友に見捨てられているBBA。

 

 

本気のBBAは過酷な美容トレーニングへ。

男は夜脚本を書きに出掛けるようになった。一緒に脚本を書く美女はハリウッド生まれ、映画一家の三世、22歳。鼻にキスだけでよく耐えたぞ、男。人生経験が活きてるじゃないか。

美女に純金の煙草入れに入ったメッセージを見られる。

「Mad about the Boy ,Norm」

(坊やに首ったけ、ノーマ)

かっこいいな、BBAには勝てねぇ。

 

夜に帰ったところをBBAの執事に見つかる男。

 

実は執事は元閲読係。デビュー作の監督で初めての夫、たのみこんで執事になったとのことを告白。夜に家を出てもいいがBBAにバレないようにと忠告。「彼女なしでは耐えられなかったんだ 」の一言が重い。執事マックスが1番重い。

しかし、この辺では坊や感が一切ないBBAの仕込みの正しさよ。

男に落ちる美女、22歳だものね仕方ないよ。_:( 'ᾥ' 」∠):_クソっ。

美女に電話をかけるBBA、「若いから知らないのね、あんな男もいることを」BBAどんな男を見てきたんだ。受話器を取り上げる男、「サンセット大通りに確かめにきて。」

この場面で男が愛されていたわけではなく、ただ見下されていただけということが明らかに。「愛してるのよ、愛してるのよ」と泣き崩れるBBA。

 

同居の友人とイエローキャブで美女が豪邸にくる。

美女を豪邸に招き入れ、弱音を吐く男。
毅然と「荷物をまとめて、行きましょう」と誘い出す美女。
「この長期契約に満足している、情けないがね。」男さらに弱音、友人の元へ行くように促した。
「2人で泳ぎに来るといい。」壁のスイッチを押すと玄関脇のナイトプールの電気がピカ✨✨。豪邸、最高だ。

 

2階で一部始終を見るBBA。なんだかっこよく階段を登れるじゃねぇか坊や。

男おもむろに荷造りをしだす、田舎の新聞社に戻るつもりで。
BBA「死んでやるから。」拳銃を持ち出す。
男「世間は20年前に君を捨ててるんだ。」
執事「奥様は偉大なスターです。」
BBA「私はスター。」

 

男「君は50歳だ 認めろよ。」(この一言が命とり💦)

玄関を出る男。BBAの銃が追う。
3発中2発が当たり輝くプールへ落ちる男。
初代ゴジラみたいな効果音。

BBAに駆け寄る執事マックス。
BBA「スターは年を取らないものよ。」

 

パラマウントのニュース映画のカメラチームくる。

豪邸の外にはたくさんの警察、記者、野次馬。

刑事に取り囲まれて殺人について質問攻めにされるBBA。

執事「カメラがきました。」
BBA「失礼します、撮影ですので。」
カメラの横に立つ執事「アクション!!!」
死んだ男「取りついた夢で彼女を包んでやった。」

BBA「映画こそ私の人生、それ以外ないんですもの。」
「監督、クローズアップを❗」にじり寄ってくるBBA、無慈悲に白濁する画面。

-The End-

 

執事マックスがすてき💕

1番夢を見せている男執事マックス。もしやと思って調べてみたら、執事マックスがBBAと男よりも1番高く評価されていた俳優さんらしい。
エリッヒ・フォン・シュトロハイム - Wikipedia

他にも、美女が男と結ばれない、とても安心感のあるラストにほっとした。

 

BBAは自己愛性人格障害なのかな?

俳優や脚本家など、自分を売る仕事は熱意や承認欲求の強さがプラスになるから、見極めるのに時間がいる。BBAの才能や技術は明らかに素晴らしいものだった。また、ショービジネスはその性質上、人をもののように扱うことが肯定されがちである。これも、才能ではなくただのクズであることがわかるのに時間がかかる理由だろう。

BBAの精神障害の原因は色々あるだろうが、公私混同をしてきたからなのではないかと感想をもった。クリエイティブな仕事の中でも女優は私を売る仕事、公私混同は仕方がないところがある。しかし、仕事上の自分の環境の変動が、個人としての自分の価値を左右させるのはとても辛いことだろう。上手くいけば他にない才能、上手くいかなければ障害、どちらとも言えない、特にショービジネスの世界では。

 

BBAには子どもがいなかった。

サルをペットにしたり、迷い込んだ坊やを溺愛したり……。

ワーママの毎日は仕事の時間と疲れが子育てに影響したり、その逆もまたしかり。なんでこんな大変なことしてるんだろうと思うことも多い。しかし、子育ては仕事と個人としての自分に強制的に線を引けるそんな得がたい機会なのかもしれない。毎日それぞれに頑張っている分、万が一仕事が揺らいでも、ママの部分は揺らがない。公私を混同しない限り、それは保障される。

何よりも、大人になった子どもが「あなたは私によくしてくれた唯一の人だ」なんて言ってBBAに貞操捧げたりとか……そんなことはさせたくない。

 

プライバシーを大切に、お仕事がんばろう!

 

 

以上、貴重な時間お読みいただきありがとうございました。豪邸も登場人物も、とても素敵な映画ですので、ぜひご覧下さい。