半径5メートルはババァゾーン

38歳一ババァの日常を皆さんにお届けします。

かわいそう怪盗

ポスト田イット乃です。本日は昔書いた文章を載せます。

 

かわいそう怪盗は「かわいそう」を盗みます。ある日、大きなぬすみをすることにしました。それは、ネットの悪口をいたく悲しんで死んでしまった人への「かわいそう」でした。そのために、腕のいい鍵師をやとい、中に入ろうとしました。しかし、鍵師は開けてはいけない扉を開けたのです。
中にはたくさんの目があるお化けがいました。かわいそう怪盗は自分がなぜかわいそう怪盗になったのかを思い出しました。かわいそうな自分を話したときに「それでも、今のあなたは素晴らしいわ。」とやさしく声をかけてくれる人たちがいたからです。人々の共感がかわいそう怪盗を運びました。
たくさんの目があるお化けはやさしくありません。かわいそう怪盗を賞賛はしません。そして、かわいそう怪盗にずっとついてきて何をするにもすっと視線を向けます。それ以外に特に悪いことをするわけではないのですが、かわいそう怪盗はその視線にダメ認定を感じるようになりました。
鍵を開けた鍵師は「鍵があいてよかったね、ほらギャラリーもこんなにたくさん」とのんきに言いました。かわいそう怪盗は怒れません。なぜなら、怒ることもまたダメ認定されそうだからです。かわいそう怪盗は次はどんな「かわいそう」を盗むのでしょうか。
そしていつ、他の人にはない「かわいそう」を自分がもっていることに気づくのでしょうか。
続く…かない((›´-`‹ )ツライ)