半径5メートルはババァゾーン

38歳一ババァの日常を皆さんにお届けします。

氷山の中のマンモス

こんにちは、ポスト田イット乃です。


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本日はタワマン文学風に。フィクションです。

 

昨夜は夫が帰って来なかった。といっても、以前から予定していた彼の仲間との1泊旅行である。旅先からの電話で、目の前がビーチの宿の話を聞き「また家族で来ようよ!」と夫は言った。続けて、3人の子ども達と今度会う予定の甥姪への土産を何にするのかを教えてくれて、夫のこういうところが好きなのだと再認識した。私だったら、仲間と楽しむことでいっぱいになってしまう。

電話を切り、Twitterを開いていつもの雑談をする。もうアンチ活も3年目、大学時代にアンチ対象の腰巾着越しの隣に座っただけなのによく続いている。気の利いた文句を言い合うだけだがこの非日常に長く支えられてきた。ネット上の私は悪口の蜜を精製するミツバチだ。巣を守るために戦うけれど、仲間には蜜を分けてあげる。ホットケーキに沢山かけて召し上がれ。

🍵仲間の報告の、「ドタキャンされたからそば食べて寝かしつけ戻ろうとしたらDTの先輩がLINEで繋がってイタリアン」を読み、様々な感情が湧く。まず「嘘松乙」、3歳保育園児は気難しい子でなければ寝かしつけの苦労はあまりない。私は3人育ててきて1番下は3歳なのだ。そして、彼女の子は気難しい子でなさそうだ。予定外で家に夕飯がないとしたら、好きな物を食べればいいのに何故そばなのか、駅に必ずある身体に優しいファーストフードだからだろうか?

次に「これを今だに羨ましがれというのか」という気持ち。東京に生きる私のアレコレを発信して生計を立ててきたように見えるのだけど、その東京も、そのDTも、働き方改革やコロナ禍で様変わりしたのではないだろうか。政府が働き方改革の旗を振った2016年から7年経った。業務内容も洗練されてリモートワークもよく聞くようになった。コロナ禍でネット活動が身近になった。Twitterで情報を集めてYouTubeで好きな物を見る。テレビの放映枠の広告代理で有名な「DT」のビジネスモデルは古めかしい。

何故、何年も前に辞めて行った少し有名な一私人な後輩女性が、「今からご飯いけますか?」などLINEを寄こし、それに付き合わないといけないのだろうか。その先輩はよっぽど夜が暇なのか。仕事内容が洗練された分、プライベートと仕事を混ぜるような仕事の仕方は私はとても古く感じる。仕事は仕事でより良いものを目指せばいいし、切り替えて、プライベートはプライベートで楽しさを追究すればよいのだ。2つを混ぜたら社会的地位にずっとがんじがらめになってしまう。

「そば」「寝かしつけ」「DT」「LINE」「イタリアン」……これらの単語から私の特殊な頭がはじき出したイメージは、「氷山の中のマンモス🦣」である。彼女は今だ東京のワーママな私の日常をコンテンツにしていきたいのであろうが、それは今や逐一古く感じられる。太古の昔、凍えた海に足を滑らせて落ちて幸か不幸かそのままの状態で現代の私たちの目の前に現れた氷山の中のマンモス🦣。私は今日もそのDNAを採取して、太古の昔へのロマンを膨らませTwitterへ流していくのだ。

 

お読み下さりありがとうございました。