半径5メートルはババァゾーン

38歳一ババァの日常を皆さんにお届けします。

新成人の皆様へ

こんばんは、初めましても多いかもしれない、ポスト田イット乃です。38歳、ブロガーを細々とやっております。

 

さて本日は新成人の皆様へ、遅ればせながらおばちゃんの一人語りしたいと思います。

 

私の成人式のための振袖は100万円しました。

新しくできた難波のビルの呉服屋からのダイレクトメール。それを見て親子3人でノコノコ行き、色々と見比べた結果1番良いものを選びました。すると、100万円しました。母と私の欲しいんだけどとの軽いお願いに、父は何の気なしに買ってくれました。自分がそのくらい美しい晴れ着に相応しい人間だと無邪気に考えていたのです。

全く能天気です。今思えば、高くて1番見栄えがするものと、安くて見栄えがしないものを複数並べて選ばせるという単純な商売です。だから、20歳のあなた方にとってカッコイイ大人になんてなりたくありません。だって、全然物事を比べて見る目がないんだもの、世の中を知らないんだもの。

その3年後、大学を留年しつつも、卒業式にこぎつけました。

大学生活の最後の2年間は親からの仕送りを止めてもらったため、アルバイトで生活費を稼ぐことと学業を何とか回す毎日を過ごしていました。家事も全然できないので、同棲していた部屋のゴミ箱にはよくハエがいました。

それでも、卒業式という自分の晴れの日のために、アルバイト代から出せる金額を考えて、京都の町を自転車で走りました。古着屋やひなびた呉服屋で気に入った着物と袴、カバン、靴を手に入れてなんちゃって晴れ着をこしらえました。卒業式の一週間前には、組み合わせて着たときのデザイン画を書いて学業を終える晴れの日の自分を思いきり楽しみました。

仕上げに、新京極の閉店セールの店でだまされて買った1000円のパールネックレスの端と端に要らなくなったクレジットカードを付けて袴に挟み、袴飾りにしました。それを作る様子を見ていた今の夫である同棲相手から「クレジットカードを袴に挟んでる」など笑われたこともいい思い出です。

本当のお嬢様がゴロゴロいる私の大学の卒業式には、全然相応しくなく確かに大分見劣りしていました。だけど楽しかった。若い私は、「100万円もする着物を買ってもらうくらい親に良くしてもらったんだもん、どんな大変な生活でも親に迷惑かけずに頑張ろう」、そんなことを考えていました。自分のお金で、自分の選んだ晴れ着を着て、自分の晴れの日に立てた。それだけで若いときの自分が15年経った今でも大好きです。

新成人の皆様、おめでとうございます。

今からあなたが決めたことはあなたを苦しめるかもしれません。すごくダサくてかっこ悪いかもしれません。だけど、20年間あなたのご両親が見守ってあなたが育んできた力で良い結果にたどり着けると私は自分の経験から考えます。自由で明るい前途をお祈りします。

 

お読み下さりありがとうございました。